ブログタイトル 軽やかな風のようなウイスキー。サントリー「知多」が世界で愛される理由と、極上のハイボール体験

近年、世界的なジャパニーズウイスキーブームの中で、独特の立ち位置を確立している銘柄があります。それが、サントリーのシングルグレーンウイスキー「知多」です。「山崎」や「白州」といったシングルモルトウイスキーが入手困難となる中、軽やかで飲み飽きしない「知多」は、普段使いの上質なウイスキーとして、またハイボールに最適な一本として多くのファンを魅了しています。今回は、知多蒸溜所の歴史や製法のこだわり、そして「知多」を最高に美味しく楽しむためのポイントを徹底解説します。

シングルグレーンウイスキー「知多」の誕生と背景

「知多」は2015年9月に、サントリーから11年ぶりの新ブランドとして誕生しました。一般的にウイスキーには、大麦麦芽を原料とする個性の強い「モルトウイスキー」と、トウモロコシなどの穀物を主原料とする穏やかな「グレーンウイスキー」があります。「知多」は後者にあたり、愛知県知多市にある「サントリー知多蒸溜所」で作られたグレーン原酒のみを使用した「シングルグレーンウイスキー」です。

知多蒸溜所は、伊勢湾に面した工業地帯に位置し、1972年に全農グループとの共同出資で設立されました。トウモロコシを主原料とし、連続式蒸留機を用いてウイスキーを製造しています。蒸溜所に入るとまず目を引くのが、全高30メートルにも及ぶ巨大な連続式蒸留機です。ここで作られるグレーンウイスキーは、本来ブレンデッドウイスキー(「響」や「角瓶」など)のベースとして、モルトの個性を引き立てる「サイレント(静かな)スピリッツ」としての役割を担ってきました。しかし、サントリーのチーフブレンダー福與伸二氏の探究心により、グレーン原酒そのものの魅力を引き出した、主役となれるウイスキー「知多」が生まれたのです。

複雑な味わいを生む「つくり分け」の技術

「知多」が単調にならず、複雑で奥深い味わいを持つ理由は、世界でも珍しい「原酒のつくり分け」にあります。知多蒸溜所では、連続式蒸留機の複数の塔を使い分けることで、クリーン、ミディアム、ヘビーという3タイプのグレーン原酒を作り出しています。さらに、熟成にはホワイトオーク樽だけでなく、スパニッシュオーク樽やワイン樽など多様な樽を使用しています。

これら約10種類もの異なる個性を持った原酒をブレンドすることで、軽やかさの中にほのかな甘みや複雑な余韻が生まれます。2022年からは、より原料穀物の香味を残すことが可能な「カフェ式蒸留機」を備えた第3プラントも稼働しており、原酒の多様性はさらに広がっています。この革新的なアプローチが評価され、「知多」はインターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)で金賞を受賞するなど、国際的にも高い評価を得ています。

「風香るハイボール」の極意

「知多」の魅力を最大限に引き出す飲み方といえば、やはりハイボールです。サントリー自身が「風香るハイボール」というキャッチコピーを掲げている通り、その軽快な味わいは炭酸との相性が抜群です。

美味しい知多ハイボールの作り方 黄金比率は「知多:ソーダ=1:3.5」と言われています。一般的なウイスキーよりも少しソーダを多めにすることで、爽やかさが際立ちます。

1. グラスに氷をたっぷり入れます。

2. 「知多」を注ぎ、マドラーで軽く混ぜてウイスキーを冷やします。

3. 冷えたソーダを氷に当てないように静かに注ぎます。

4. 炭酸が抜けないよう、マドラーで縦に一回だけ混ぜれば完成です。

さらにアレンジとして、レモンの皮を少し絞りかけたり、生姜や山椒、大葉、桜の塩漬けなどをトッピングしたりすることで、和の素材との調和を楽しむことができます。

和食とのペアリングを楽しむ

「知多」のクリアで雑味の少ない味わいは、繊細な和食と見事にマッチします。特に、出汁の効いた料理や、素材の味を生かした料理との相性は抜群です。 例えば、だし巻き卵や天ぷら、唐揚げなどの揚げ物はもちろん、お刺身やカルパッチョともよく合います。特に白身魚やサーモンのお寿司と合わせると、魚の脂を炭酸がさっぱりと流しつつ、ウイスキーの甘みがネタの旨味を引き立ててくれます。

環境への配慮と限定ボトルの魅力

知多蒸溜所は、ウイスキー作りだけでなく環境保全活動にも力を入れています。過去には、製造工程で発生する副産物を肥料や燃料としてリサイクルする取り組みで「リデュース・リユース・リサイクル推進協議会会長賞」を受賞するなど、循環型社会への貢献も行っています。

また、定番のボトル以外にも、数量限定の特別な「知多」が存在します。例えば、「知多蒸溜所 桜樽後熟ブレンド」は、ホワイトオークで15年以上熟成した原酒を桜樽で後熟させたもので、桜餅のような独特の香味を楽しむことができます。他にもワイン樽で後熟させた原酒を使用したボトルなど、ブレンダーの挑戦が詰まった限定品は、ウイスキーファンならずとも試してみたい逸品です。

まとめ

「知多」は、単なる「飲みやすいウイスキー」にとどまらず、サントリーの技術と歴史、そして日本の美意識が詰め込まれたシングルグレーンウイスキーです。和紙のラベルに書かれた躍動感ある「知多」の文字や、日本の伝統色「濃藍(こいあい)」色のキャップシールなど、デザインの細部にまでこだわりが宿っています。

今夜は、お気に入りの和食を用意して、「風香るハイボール」で軽やかなひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。その一口には、知多半島の風と、つくり手たちの情熱が溶け込んでいます。

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この記事を書いた人

電子機器の試作会社、老舗出版会社、通信系IT企業を経由して、現在は兼業ブロガー。SDGsに貢献しつつ、生活の中で課題をもって購入した商品のレビュー、プチ旅行の紹介、忘れつつある記憶の記録など、おおむね個人の趣味を綴ったブログにしたいと思います。

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