現在、空撮、測量、点検、農業など、ドローンの活躍の場は急速に広がっています。これに伴い、2022年12月5日から「無人航空機操縦士技能証明」という国家資格制度が開始されました。本記事では、この資格を取得するための具体的な手順や、2026年に向けた重要な変更点について詳しく解説します。
1. 一等・二等資格の違いと取得のメリット
ドローンの国家資格には、大きく分けて一等と二等の2種類があります。
• 一等資格: 「レベル4飛行」(有人地帯での補助者なし目視外飛行)が可能になります。第三者が立ち入る可能性のあるエリア(カテゴリーⅢ飛行)を飛行させる場合に必須の資格です。
• 二等資格: 第三者が立ち入らないよう制限したエリアでの「特定飛行」が可能になります。一般的な空撮や点検業務の多くをカバーできます。
資格取得の最大のメリットは、飛行許可申請の一部が省略または簡略化されること、そしてクライアントからの信頼性が向上することです。特に2026年以降は、国土交通省への申請において民間資格による優遇措置が廃止される見込みであるため、国家資格の重要性はさらに高まっています。
2. 資格取得の第一歩:DIPS 2.0での事前準備
資格取得を目指す際、スクールに通うかどうかにかかわらず、最初に行うべきは「技能証明申請者番号」の取得です。これは国土交通省の「ドローン情報基盤システム(DIPS 2.0)」を通じてオンラインで申請します。
申請には以下の準備が必要です:
• 本人確認書類: マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど。マイナンバーカードを使用すると、氏名や住所が自動反映されるため便利です。
• 顔写真: 技能証明書カードに使用されるため、6か月以内に撮影された無帽・無地の背景のものを用意します。
• 受講機関の情報: スクールを利用する場合は、その事務所コードが必要です。
DIPSでの申請時には、悪意のある第三者による情報漏洩を防ぐため、60分以上操作を中断するとやり直しになる点に注意してください。また、申請情報の送信後、登録したメールアドレスに届くURLをクリックして「到達確認」を行うことで申請が完了します。
3. 身体検査の基準と受検方法
技能証明の取得には、学科試験と実地試験に加え、身体検査への合格が必須です。検査では視力(矯正可で両目0.7以上)、色覚、聴力、運動能力が確認されます。
受検方法は主に3つあります:
1. 有効な公的証明書の提出: 自動車運転免許証(自動二輪・原付を除く)があれば、多くの場合で医師の診断書が不要になります。
2. 医療機関の診断書の提出: 一等資格で25kg以上の機体を扱う場合などは必須となります。
3. 指定試験機関での直接受検: 試験会場で検査を受けます。
4. 二つの取得ルート:スクールか一発試験か
取得には「登録講習機関(ドローンスクール)」に通うルートと、指定試験機関で直接受ける「一発試験」ルートがあります。
• スクールルート: 学科と実技の講習を受け、修了審査に合格すれば、国が実施する実地試験が免除されます。初心者の多くが選ぶ一般的なルートです。
• 一発試験ルート: 費用は抑えられますが、実地試験の難易度が非常に高く、特に一等資格ではアシスト機能(GPSなど)を切った状態での高度な技術が求められるため、経験者以外には推奨されません。
費用については、二等資格の初学者で約15万〜40万円、経験者であれば約7万〜25万円が相場です。一等資格はさらに高額になり、初学者では60万〜100万円かかることもあります。既に民間資格(JUIDA、DPA等)を保有している場合は「経験者」として扱われ、講習時間と費用が大幅に短縮されます。
5. 2026年に向けた法改正と将来の展望
2026年に向けて、ドローンを取り巻く法律はさらに厳格化される予定です。主な変更点として、空港周辺などの飛行禁止区域が約300mから約1,000mへ拡大される見込みであることや、事前に飛行航路を登録する「ドローン航路登録制度」の開始が想定されています。
また、機体登録の義務化やリモートIDの搭載も一層厳しくなり、未登録機での飛行は重大な違反となります。
6. まとめ
ドローン国家資格の取得は、今後のドローンビジネスにおいて不可欠なステップです。まずはDIPS 2.0で申請者番号を取得することから始めましょう。自分のレベルや目的に合わせ、適切な講習機関を選び、安全な運航のための知識と技能を身につけることが、空のプロフェッショナルへの第一歩となります。
※本記事に含まれる一部の年収相場や具体的な民間資格の比較情報は、提供された資料に基づく一般的な傾向であり、最新の状況については各機関へ直接ご確認ください。

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