1. 埋立地から「国際的な野鳥の生息地」へ
東京都大田区に位置する東京港野鳥公園は、単なる整備された公園ではありません。1960年代の埋立事業の後、自然にできた池や草原に野鳥が飛来するようになり、それを見た地域住民が「自然を守ろう」と立ち上がったことが開園のきっかけです。
1978年に「大井野鳥公園」として産声を上げ、その後拡大を経て、現在は約36ヘクタール(東京ドーム約7.7個分)もの広大な面積を誇ります。今やシギ・チドリ類の重要な生息地として国際的にも認められており、都内にいながら本格的なバードウォッチングが楽しめる稀有なスポットとなっています。
2. 野鳥撮影の装備と機材のポイント
野鳥撮影はスピードと正確な構図が命です。ソース内では、**FUJIFILM X-T4とタムロンの150-500mm(A057)**を組み合わせた手持ち、あるいは三脚スタイルの撮影が紹介されています。
特に重要なのが雲台の選択です。超望遠レンズを使用する場合、自由雲台では微細な構図調整が難しく、耐荷重に余裕があってもカチッと決めるには苦労することがあります。微妙な調整が必要な場面では、ギア雲台の使用が推奨されています。また、タムロンの三脚座はアルカスイス互換となっているため、セットが非常にスムーズである点も撮影者には嬉しいポイントです。
3. 園内の見どころと多彩な環境
園内は多様な環境が人工的に造成されており、鳥たちの採餌場や休息場となっています。
• ネイチャーセンター: 3階建て(地下1階)の拠点で、冷暖房完備の室内から「潮入りの池」を一望できます。無料の望遠鏡も設置されており、初心者でも安心して観察を始められます。
• 4つの観察小屋: 園内各所に配置された小屋にはベンチがあり、雨の日でも天候を気にせず、ゆっくりと鳥たちの様子を伺うことができます。
• がた潟ウォーク: ネイチャーセンター地下1階には、干潟の上を歩ける通路があります。干潮時にはチゴガニやトビハゼなどの生き物を間近で観察できる貴重な場所です。
• 自然生態園: 田んぼや畑があり、農村風景をモデルにした環境で小鳥やトンボ、カエルなどを観察できます。
4. 季節ごとに訪れる鳥たち
年間で約120種類、開園以来232種類の野鳥が記録されています。
• 春・秋(旅鳥): キアシシギやチュウシャクシギなどのシギ・チドリ類が干潟を訪れます。
• 夏(夏鳥): ヨシ原で「ギョギョシ!」と鳴くオオヨシキリや、優雅なサギ類が観察できます。
• 冬(冬鳥): ホシハジロやキンクロハジロなどのカモ類が池を埋め尽くし、空にはオオタカやミサゴといった猛禽類が舞う、最も活気のある季節です。
5. アクセスと利用上の注意
公共交通機関では、東京モノレール「流通センター駅」から徒歩15分、または京急バス「野鳥公園」下車すぐです。駐車場も完備されていますが、台数に限りがあるため、なるべく公共交通機関の利用が推奨されています。
入園料は大人300円、65歳以上は150円(中学生以下と都内在住・在学の中学生は無料)です。また、自然保護のため、捕虫網や虫かごの持ち込みは禁止されていますが、小学生以下のお子様には管理事務所で無料貸出(自然生態園内での使用限定)が行われています。
まとめ
東京港野鳥公園は、**「都市と自然が共生する実験場」**のような場所です。かつて人間が海を埋め立てた場所を、今度は鳥たちが選び、人間がそれを見守るという物語がここにあります。カメラを抱えてシャッターチャンスを待つのも良し、ネイチャーセンターから静かに水面を眺めるのも良し。それぞれのスタイルで、都会の「よみがえった自然」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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