2025年の読売巨人軍は、岡本和真選手の孤軍奮闘や先発陣の崩壊により、CS2連敗という悔しい形でシーズンを終えました。そしてオフ、チームの絶対的な軸であった岡本選手がポスティングによりトロント・ブルージェイズへ移籍し、先発の柱であったフォスター・グリフィン投手もワシントン・ナショナルズへ去りました。この主力の流出により、2026年の巨人は文字通り「正念場」を迎えています。
1. 投手再建の鍵:山崎伊織と「8人先発ローテ」の導入
2026年の投手陣における最大のエース格は、間違いなく山崎伊織投手です。彼は昨年、フォークボールを武器に規定投球回に到達し、156イニングを投げる安定感を見せました。
阿部慎之助監督は、崩壊した先発陣を立て直すため、ドラフト上位3名を投手で固め、外国人補強でも先発候補を厚く揃えています。具体的には、新外国人のフォレスト・ウィットリー、ブライアン・マタ、スペンサー・ハワードの3名を、山崎投手とともに先発の軸(Tier1)に据える構想です。
特筆すべきは、戦略的な「8人先発ローテ」の活用です。これは火〜木の枠を若手や中堅4人で回し、金〜日の枠を山崎投手と外国人投手で固めるという案です。このシステムの利点は、一軍登録枠を5人で回しながら、登板間隔を空けて負担を減らし、苦手な球場を回避できる点にあります。竹丸和幸や赤星優志、戸郷翔征、井上温大といった投手たちが、この厳しい競争を勝ち抜くことが、後半戦の底上げに直結するでしょう。
2. 菅野智之の去就とWBCへの影響
現在、ファンが最も注目しているのが菅野智之投手の動向です。2025年にボルチモア・オリオールズでメジャーデビューを果たした菅野投手は、30試合に先発して10勝を挙げ、チーム2位の157イニングを投じる「イニングイーター」としての実力を証明しました。
しかし、33被本塁打(ア・リーグワースト)という課題もあり、現在はFA(フリーエージェント)として市場に残っています。MLB球団からの評価は、37歳という年齢もあり、大物投手との契約が決まった後の「順番待ち」状態にあると言われています。
こうした中、巨人の一部ファンやメディアからは古巣復帰を望む声も上がっています。もし菅野投手が復帰すれば、若手中心の裏ローテに絶大な安定感をもたらすでしょう。また、菅野投手は2026年WBCの侍ジャパンメンバーへの内定も報じられており、3月の本大会に向けてその調整状況が注視されています。
3. 野手陣の変革:岡本不在を「競争」で埋める
打線においては、岡本選手の移籍による長打力不足が深刻です。阿部監督はこの穴を、新外国人のトレイ・キャベッジとボビー・ダルベックのパワーに託そうとしています。特にダルベック選手は三振の多さが懸念されますが、心中する覚悟で起用し続ける必要があるかもしれません。
中心となる日本人野手は、泉口友汰、中山礼都、岸田行倫の3名です。昨年ブレイクした泉口選手を打線の軸とし、外野に専念する中山選手の打撃開眼が期待されます。また、北海道日本ハムファイターズからFAで獲得した松本剛選手については、阿部監督が1番センターとしての起用を示唆しています。この獲得の背景には、佐々木俊輔や浅野翔吾といった若手に「安泰ではない」という危機感を持たせ、競争を促す狙いがあると考えられます。
さらに、期待の若手である石塚裕惺選手を、守備力優先ではなく、将来を見据えてショートやセカンドで積極的に起用していく方針も、5年後の黄金期築くためには不可欠な要素です。
4. 2026年の展望:阿部巨人のラストイヤーに向けて
2026年の巨人が優勝するためには、「戦略の徹底」「外国人の成功」「若手の成長」の3つが必須条件です。戦力的には、昨年優勝した阪神タイガースに真正面から対抗するのは容易ではありません。
しかし、投手陣の再編と、岡本という絶対的支柱を失ったことによる野手陣の「全員野球」が噛み合えば、道は開けます。阿部監督にとっても勝負の年となる今季、巨人がどのような執念を見せるのか。2月のキャンプから始まる新生・巨人軍の戦いに、目が離せません。

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