現代社会において、インターネットは空気のように不可欠な存在です。特に光回線の標準的な規格である**「1Gbps(1ギガビット毎秒)」**は、多くの家庭で利用されています。しかし、かつて1MB(メガバイト)の写真を1枚送るのに「約5時間」もかかっていた時代があったことをご存知でしょうか。
この記事では、ソースに基づき、通信速度が300bpsから10Gbpsへと至るまでの驚異的な進化の過程と、現代の1Gbpsが持つ本当の価値について解説します。
1. 受話器から始まった「300bps」の黎明期
1980年代、インターネット(当時は主にパソコン通信)への接続は、**「音響カプラ」**という装置から始まりました。これは電話機の受話器を物理的に装置にはめ込み、デジタル信号を音声信号(ピーヒョロロという音)に変換して通信する仕組みです。
当時の通信速度はわずか300bps程度でした。これは「1秒間に300ビット」のデータを送れることを意味します。現代の1Gbps(10億bps)と比較すると、その差は約330万倍にも及びます。当時は、文字情報のやり取りが中心であり、画像一枚を表示するだけでも相当な時間を要しました。
2. モデムの進化とISDN(INSネット)の登場
1990年代に入ると、電話回線に直接接続するアナログモデムが普及し、速度は1200bps、2400bps、そして最終的にはアナログ回線の限界とされる**56kbps(V.90規格)**まで高速化しました。
1988年には、NTTが日本初の商用ISDNサービス**「INSネット64」を開始します。これは音声をデジタル信号として伝送する画期的な仕組みで、1本の回線で電話とデータ通信を同時に行える「2B+D」というインターフェースを採用していました。通信速度は1チャンネルあたり64kbpsで、2本束ねることで最大128kbps**の通信が可能でした。当時のユーザーにとって、アナログ回線よりもノイズに強く、接続が安定しているISDNは憧れの存在でした。しかし、このISDNの「ディジタル通信モード」も、設備の老朽化や利用者の減少により、2024年1月にサービスが終了し、歴史の転換点を迎えました。
3. ブロードバンドの爆発的普及:ADSLから光回線へ
2000年頃から、既設の電話回線を利用しながら高速通信を実現するADSLが登場し、速度の単位は「kbps」から「Mbps(メガ)」へと進化します。ADSLは下り最大1.5Mbpsから最終的には100Mbps程度まで向上し、インターネットの「常時接続」を一般化させました。
そして、現在の主役である光回線(FTTH)1Gbps、さらには10Gbpsへと進化を続けています。 1Gbps(1,000Mbps)とは、ISDN(64kbps)と比較して約1万倍以上の速度差がある圧倒的な技術規格です。
4. 1Gbpsの「理論値」と「実測値」の違い
ここで注意したいのは、カタログに記載されている1Gbpsという数値は**「理論値」であるという点です。これは「すべての環境が完全に整っている場合に計算上期待できる最大値」を指し、実際には回線の混雑や通信環境の影響を受ける「ベストエフォート型」**のサービスとして提供されています。
実際の利用シーンで体感する速度である**「実測値」は、1Gbpsの回線であれば一般的に200Mbps〜300Mbps程度**と言われています。
5. 快適なネット利用に必要な速度の目安
「1Gbpsも必要なのか?」という疑問に対し、ソースが示す利用シーン別の必要速度(下り)をまとめました:
• メールの送受信・Web閲覧: 1Mbps程度あれば十分です。
• 動画視聴(YouTubeなど): 画質によりますが、0.7Mbps〜20Mbps程度が必要です。
• Web会議(Zoomなど): 快適に行うには最大3.8Mbps程度が必要です。
• オンラインゲーム: 実測値で30Mbps以上が目安とされており、家族で同時に利用する場合などはさらなる高速回線が推奨されます。
このように、1Gbpsの回線があれば、一般的な家庭の用途であれば複数人で同時に利用しても十分すぎるほどのパフォーマンスを発揮できます。
6. 速度が遅いと感じた時のチェックポイント
もし1Gbpsの契約をしているのに遅いと感じる場合は、以下の対処法を試してみましょう:
1. ルーターの場所を移動する: 壁などの障害物や、電子レンジなどの電波干渉を避けます。
2. OS・デバイスのアップデート: パソコンやスマホの状態を最新に保ちます。
3. LANケーブルの規格確認: カテゴリ5(Cat5)などの古いケーブルは100Mbpsまでしか対応していないため、ギガ対応のケーブルへの買い替えが必要です。
4. 混雑時間を避ける: 利用者が多い夜間などは速度が低下しやすい傾向があります。
まとめ
300bpsの音響カプラから始まった日本の個人通信は、30数年で1Gbps、10Gbpsという驚異的な領域に達しました。かつての「ISDN 1万倍」の進化を経て、私たちはどこにいても高画質な動画を楽しみ、世界中と顔を合わせて会話できる環境を手に入れたのです。
大阪ガスのインターネットサービス**「さすガねっと」**では、1Gbpsの「Nプラン1G」や「Jプラン1G」に加え、さらなる高速を求める方向けに10Gbpsプランも用意されています。ガスや電気との「セット割」でお得に利用できるため、この機会に最新の高速環境を検討してみてはいかがでしょうか。
通信速度の例え: インターネットの速度を「水の供給」に例えると、300bpsの時代はストローで一滴ずつ水を運んでいるようなものでした。ISDNは細い水道管、そして現代の1Gbpsは、家中の蛇口をすべて全開にしてもお釣りがくるほどの巨大な給水本管がつながっているような状態です。この太いパイプがあるからこそ、私たちは情報の波をストレスなく受け止めることができるのです。

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