2018年に83年間の歴史に幕を閉じ、豊洲へと市場機能が移転した築地市場跡地。東京のど真ん中に残された約20ヘクタールという広大な「都心最後の一等地」がいよいよ動き出します。東京都は2024年4月、この地の再開発を担う事業予定者として、三井不動産を代表とし、トヨタ不動産や読売新聞グループなど11社で構成されるグループ「ONE PARK × ONE TOWN」を選定しました。
今回の再開発は、総事業費約9,000億円にものぼる国内最大級のプロジェクトです。計画の象徴として掲げられているのは、かつての築地市場が貨物列車を引き込むために描いていた「扇」の形をモチーフにしたデザインです。
1. 世界屈指の可変性を備えた「5万人収容スタジアム」
本計画の最大の目玉は、約19万平方メートルの敷地中央に建設される全天候型マルチスタジアムです。**収容人数は約5万人(最大約5万7,000人)**を誇り、世界でも類を見ないほどの「可変性」と「多能性」を備えています。
この施設は、可動席や仮設席を活用することで、野球、サッカー、ラグビー、アイスホッケー、バスケットボール、さらにはコンサートや大規模展示会(MICE)など、合計8つのモードに形を変えることができます。最先端の映像・音響技術を導入し、どのイベントにおいても圧倒的な臨場感を提供することを目指しています。
2. 読売ジャイアンツ「本拠地移転」の可能性と背景
多くのファンが注目しているのが、プロ野球・読売ジャイアンツの本拠地移転です。現在、巨人が使用している東京ドームは1988年の開業から35年以上が経過しており、老朽化が大きな課題となっています。また、球団は自前の球場を持たないため、年間約25億円とも言われる多額の賃貸料を支払っており、以前から「自前のボールパーク」建設が悲願とされてきました。
今回の事業グループに読売新聞グループが名を連ねていることから、新スタジアムが巨人の本拠地になるという期待が高まっています。現時点での公式見解は「移転を前提としたものではない」とされていますが、読売側は「魅力あるスタジアムなら使ってみたい」と前向きな意欲を隠していません。2030年代の完成に向けて、今後議論が本格化する可能性は非常に高いと言えるでしょう。
3. 「ONE PARK × ONE TOWN」:9棟のビルが織りなす複合都市
再開発はスタジアム建設に留まりません。敷地内には合計9棟のビルが立ち並ぶ計画です。
• ホテル・レジデンス・オフィス棟:高さ約210メートルの超高層ビルには、国際会議に対応するMICE機能やVIP向けの宿泊施設が入ります。
• ライフサイエンス拠点:国立がん研究センター等と連携した、医療・研究のイノベーション拠点が整備されます。
• フードホール・シアター:築地ならではの食文化を発信する施設や、舟運の拠点となるシアターホールも建設されます。
水辺には広大な緑地「ONE PARK」が整備され、隅田川や隣接する浜離宮恩賜庭園との連続性を保ちながら、都会のオアシスを創出します。
4. 陸・海・空を結ぶ次世代の交通ハブ
現在の築地エリアは、大規模イベントを捌くには公共交通機関が脆弱であるという懸念があります。そこで期待されているのが、東京駅から臨海部を結ぶ「臨海地下鉄」の構想です。計画地の直下には「新築地駅(仮称)」が整備される見込みで、2040年頃の全線開通を目指しています。
さらに、既存の都営バスや水上交通の拡充に加え、ヘリポートや空飛ぶ車の発着場も整備され、陸・海・空の結節点となる「モビリティハブ」としての役割も期待されています。
結びに
築地の再開発は、2025年度から一部の着工が始まり、2032年度にはスタジアムを含む主要施設が完成する予定です。全体の竣工は2038年度から2040年代前半になると見込まれています。
この壮大なプロジェクトは、単なるスタジアム建設ではなく、東京の骨格そのものを刷新する試みです。専門家は、かつて「東京の台所」であった築地が、再開発を経て「東京のリビング(客間)」のような存在へと進化し、都心とベイエリアを繋ぐ新しい顔になると期待を寄せています。江戸の歴史と未来の技術が交差する、新しい築地の誕生を心待ちにしましょう。
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(補足情報:情報源以外の内容) ※上記ブログ内の文章は提供されたソースに基づき作成していますが、具体的な賃貸料の金額や特定地域の不動産事情、過去のプロ野球界の動向などに関する詳細な背景知識は、一般的なニュース等の情報を補完的に参照しています。正確な投資判断や学術的な調査にご利用の際は、公式の発表資料等を併せてご確認ください。

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