私たちの働き方の根幹を支える「労働基準法」が、今、大きな転換期を迎えています。早ければ2026年にも、約40年ぶりとなる大幅な法改正が実施される見通しです。この改正は、長時間労働の是正や、多様化する働き方への対応を目的として検討されており、実現すればすべての会社員の日常に大きな影響を与えることになります。
本記事では、現在検討されている改正案の中から、特に注目すべき**「5つのポイント」**を詳しく解説し、今後の政治動向による影響についても考察します。
1. 連続勤務の日数に「14日」の上限
これまで、変形労働時間制などの運用次第では、かなりの長期間にわたって連続勤務が可能となってしまうケースがありました。しかし改正案では、14日を超える連続勤務を原則として認めない方向で議論が進んでいます。 これにより、特に繁忙期に連勤が発生しやすい職場では、より厳格な勤務計画の策定が求められるようになります。労働者の健康を守るための大きな一歩と言えるでしょう。
2. 「勤務間インターバル制度」の義務化
2つ目の大きな変化は、「勤務間インターバル制度」の義務化です。これは、1日の業務終了から翌日の始業までに、一定の休息時間を確保することを企業に義務付けるものです。 具体的には、11時間以上の休息を確保する方向で検討されています。これが実現すれば、深夜まで残業した翌朝に早朝から出勤するといった無理な働き方が制限され、睡眠時間や私生活の時間を安定して確保しやすくなります。
3. 法定休日の特定と明確化
これまで曖昧になりがちだった「休日」の扱いも変わります。改正案では、法定休日を事前に就業規則などで明確に定めることが求められる見込みです。 これは、どの休みが「法定休日」であるかをハッキリさせることで、休日労働の判断や割増賃金の計算をより透明化・適正化する狙いがあります。
4. 有給休暇中の賃金計算の適正化
有給休暇を取得した際の給料の計算方法も見直されます。現在は複数の算定方法がありますが、改正後は**「通常賃金方式」を原則とする方向で議論されています。(※ここからは資料外の補足情報ですが、通常賃金方式とは、有給を取っても「出勤した時と同じ給料」が支払われる計算方法です。これにより、有給を取ることで給料が減るのではないかという懸念が払拭されます。)資料によれば、この変更によって有給休暇を取得する際の心理的なハードルを下げる効果**が期待されています。
5. 副業・兼業の管理と小規模事業の特例廃止
多様な働き方を後押しするため、副業や兼業を行う人の労働時間管理も簡素化される方針です。複数の勤務先で働く場合の割増賃金の計算など、企業側の負担となっていた制度が見直されます。 また、一部の小規模事業場に認められてきた「週44時間労働」の特例についても、廃止が検討されています。
高市政権によるスケジュールの変更可能性
これらの改正は働く側にとって大きなメリットがある一方で、企業側には勤怠管理体制の再構築という大きな負担も伴います。 さらに、今後の動向を左右するのが政治の動きです。高市総理は2025年末に「労働市場改革分科会」を設置し、労働時間規制の緩和を含めた議論を行う方針を掲げています。このため、当初2026年を目指していた改正スケジュールや、最終的な制度内容が修正される可能性も指摘されています。
まとめ:これからの働き方をどう考えるか
(※以下は資料に基づかない考察を含みます) 今回の法改正の動きは、単なるルールの変更ではなく、日本社会全体が「時間ではなく成果や効率」を重視するステージに移行しようとしているサインです。企業はデジタルトランスフォーメーション(DX)を活用した勤怠管理の自動化が不可欠となり、労働者は自分自身の生活の質(QOL)をどう高めるかを主体的に考える時代になります。
政治の動向によって施行時期は流動的ですが、「健康を守り、生活時間を確保する」という大きな流れが変わることはないでしょう。私たち一人ひとりが、これらの変化をポジティブに捉え、新しい時代の働き方に適応していく準備が必要です。

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